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ブラジルから来た少年

1978年 アメリカ/イギリス
 
 
出演:グレゴリー・ペック、ローレンス・オリビエ
 
 
なんといっても、プロットが素晴らしい。
時代は1970年代、ナチハンターが南米でネオナチ組織の陰謀をかぎつける。
しかし、そこで語られたミッションは世界各国にいる65歳の94人の公務員を事故に見せかけ暗殺するというもの。
仲間にも語られぬ、その理由は?というところから話は動き出す。
その情報をつかんだ、ナチスの残党を執念深く追う老ユダヤ人リーバーマンの動きを通して、我々もその謎を追うことになるわけだが、なかなか、それは明らかにならない。
なぜ、65歳なのか、なぜ公務員なのか。
しかし着々とミッションは遂行され、事件を追いかけるリーバーマンは、
そこに同じ顔をした少年が存在することを知る。そして、あきらかになる驚愕の事実。
もう、ほれぼれとするような謎解きです。
こけ脅かしと、観客をミスリードするためだけの伏線にあふれた最近の映画を見慣れた身としては、巨匠がつくった完璧なプロットの前に、もう脱帽です。
 
ネオナチの陰謀の首謀者メンゲレをグレゴリー・ペック
そして年老いた反ナチ活動家リーバーマンをローレンス・オリビエという二人の名優が演じている。グレゴリーペックの悪役は、似合わないという意見もあるようだが
ダリのような尊大な雰囲気は悪くないと思う。
あと、少年役のなんともいえない不気味で不快な感じが素晴らしいです。
映画が成功した理由は、素晴らしい脚本もさることながら、この少年役のキャスティングもかなり大きいのではと思わせる。
それと、忘れちゃいけないのが、ロケーションのすばらしさ。
アマゾンにあるメンゲレの隠れ家、殺人現場となるスウェーデンの絶景のダムなど、どこで見つけたんだというような風景ばかり。
もう、才能もお金も手間も存分につぎこんだ贅沢な映画です。
監督はシャフナーという人。残念ながら、ノーマークの監督でした。
過去作は、「パットン大戦車団」「猿の惑星」「パピヨン」など。
観てないけど「パットン大戦車団」はアカデミー作品賞をとっているし、
昔観た「猿の惑星」も「パピヨン」もそれなりの名作だった気がするので
監督作は多くはないが、大作を撮る巨匠の一人なんでしょうね。
 
タイトルの「ブラジルから来た少年」は、原題だと「The Boys from Brazil」と少年が複数形になる。しかし、邦題だと単数形なので、そこでも意図せぬひねりがきいた感じになってますね。